歴史散策(桜井市・橿原市):教育史学ゼミ
令和6年11月5日(火)、研究室を飛び出して奈良県に出掛けました。午前には大神神社(桜井市)を参拝。三輪山を御神体として、古代祭祀を今に伝える境内には厳かな空気が満ちています。神職の方に、神社の起源や独特な形式の三輪鳥居について説明を賜りました。民間信仰や酒蔵に吊るされる杉玉に関するエピソードなど、興味深く拝聴しました。
摂社の檜原神社も参詣しました。元伊勢・倭笠縫邑[やまとのかさぬいのむら]の故地と伝えられ、天照大御神が祀られています。第十代崇神天皇の御代、皇女豊鍬入姫命[とよすきいりひめのみこと]が初代斎王・御杖代を託され、檜原の地で丁重に祭祀されました。その後、御杖代を引き継いだ第十一代垂仁天皇皇女の倭姫命[やまとひめのみこと]は、三輪の地から宇陀、伊賀、近江、美濃などを経て、伊勢の五十鈴川上流に御遷幸され、奉斎されました。御杖代を担われた皇女の労苦と神宮を創建された功績に敬服いたします。
三輪山の近辺には歴代天皇の御陵、纒向遺跡、卑弥呼の墓と推測される箸墓古墳などが点在しています。大和平野の景観を眺め、古代の王朝に思いを馳せました。
午後には第一代神武天皇が御祭神の橿原神宮(橿原市)を訪問。参拝の後、宝物館を拝観しました。明治天皇と昭憲皇太后から下賜された刀剣や鏡のほか、黒漆塗の唐櫃、螺鈿の美しさに見入りました。企画展「描かれた神武天皇」では、神武天皇にかかる多様な図像資料と立体作品について解説されており、庶民から篤く崇敬されていたことを知ることができました。
見聞を広め、実りある一日となりました。教職志望のゼミ生には、得た知識や経験を奉職後の教育活動に生かしてくれることを期待する次第です。
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